電気配線の価格が変動する理由を知りたい…。
一般的な電線の構造は、上図のように電気を通す"導体"の周りに電気を通さない絶縁体が巻かれ、さらにシース(被覆)によって外側が保護されています。
この電気を通す"導体"に使われる材料は"銅"と"アルミ"が大半を占めていて、建築物で使われる配線のほとんどが"銅導体"となっています。
本記事では建築物の一般的な電線に使われる"銅導体の電線"の価格変動について解説します。
電線の価格が変動する主な理由
- 主原料の「銅」価格に連動する
電線は「銅」の価格に連動する
電線の価格が変動する要因はシンプル。
主原料の「銅」の価格に連動するため、電線価格の市場動向をみるためには、銅の市況を把握するのがポイントです。
銅導体の電線は、原料の銅地金の価格を流通価格に反映させる取引慣行があります。
そのため将来の電線価格がどうなるか検討する場合には、銅の市況を見ておきましょう。
電線(IV)の価格動向
上図グラフは、電線(IV)と銅建値の価格推移を示しています。
若干の誤差はあるものの、ほぼ同じような動きで推移していることが分かりますね。
例えば、2020年上半期に銅建値が上昇し始め、電線価格は追随して上昇しています。2022年上半期頃に高止まりすると、その後少し遅れて電線価格も高止まりしています。
以上のようにこれまでの価格推移からも、電線と銅建値の価格が連動していることが分かります。
まとめ
電線(銅導体)の価格が変動する要因はシンプルでした。
主原料の"銅"が先行してどう動いているのかみるのがポイントです。
【参考資料】
- 日本経済新聞
本記事は、一級建築士であり設計・積算・工事監理から建築コストコンサルの経験がある著者が、第三者の立場から考察した記事です。